レンコンを無駄にしない為のレンコン保存方法
お客様より、時々泥付きレンコンの保存法について相談があります。
そこで、レンコン農家倉敷・井上ファームと、他の資料を参考に以前の物に情報を追加し、わかり易いよう改訂しました。
泥付きレンコンの保存方法
(1)泥つき・1本まるごとのれんこん
濡れた新聞紙(またはキッチンペーパー)に包み、ビニール袋に入れ、冷暗所または冷蔵庫の野菜室で保存して下さい。
泥を落とさずに保存し下さい。
(2)カットしたもの・使いかけのれんこん
変色したり水分が抜けていきますので、空気が入らないようにしっかりとラップに包んで野菜室で保存し下さい。
(3)冷蔵庫で長持ち
タッパーなど密封できる容器にいれて、水をれんこんがしっかりと浸かるまで入れて、蓋をして冷蔵庫で保存すると、更に長持ちします。
水を1~2日程度に1度取り替えることにより保存が長くなります。
皮ははいてもはいていなくても、かまいません。
この方法は、ビタミンCが溶け出るともいわれているので、栄養よりも保存重視の場合にご利用を。
(4)レンコンの冷凍保存で更に長持ち
1節ずつ皮をむき、多めの酢水でゆでて、ゆであがったら水の中に入れてさまし、よく水気を取ってからラップに包んで冷凍庫へ入れて下さい。
味付けして煮てから冷凍庫に入れて保存もできます。
解凍する場合は自然解凍して下さい。
(冷凍保存ですといつまでも保存出来ますが、生で保存した場合より若干食味が落ちます)
(5)新レンコンはお早めに
9月上旬から10月始めのいわゆる「新れんこん」は大変軟らかく、特有の美味しさですが、日持ちがしません。
これはれんこんがまだ生育中のためです。出来る丈早めに召し上がって下さい。
(6)賞味期限の目安
- 一節丸ごとのれんこんは、1週間程度
- 節の途中でカットしたれんこんは、2~3日程度
- 水に浸けたれんこんは、2~3週間
レンコンについての情報
レンコンの栄養素と効能
ポリフェノールの1種タンニン
花粉症の原因となる抗体の発生を抑える(埼玉医科大河合教授 2008.2.12)
タンニンは消炎や止血作用があり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍に効果を期待できます。
エネルギーの高い野菜
主な栄養分のデンプンが体を温めます。
ビタミンCが豊富
ビタミンCは熱に弱いのですが、デンプンが多い為に加熱しても相当量のビタミンCが残ります。
ミネラルが豊富
カリウムや鉄、銅、亜鉛を多く含みます。
野菜では珍しいビタミンB12を多く有ります
野菜に含まれる事が少なく、鉄分の吸収を助ける働きです。
植物繊維が豊富
便通を良くする他大腸ガンの予防、動脈硬化や高血圧の予防が期待できます。
レンコンからひく糸の正体はムチン
胃壁を保護し、タンパク質や脂肪の消化を促進します。
ポリフェノールの1種タンニン
タンニンは消炎や止血作用があり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍に効果を期待できます。
タンパク質の1種レクチンは免疫力アップのアシスト役
レンコンの選び方
■形がふっくらとして丸く肉厚の物。節と節の間が太い物。
■皮はクリーム色か淡褐色で傷がなくつやがあるもの。
(レンコンの表面が乾いた感じする物は避ける。)
■レンコンを切った時に糸を引く物は新鮮です。
(穴の内側が黒っぽいものは古いので避けましょう。)
■皮が真っ白いものは、漂白してある可能性があるので、避けたほうが無難です。
蓮の実の殻(田島さん作抜粋)
レンコンの調理法
調理法のコツ
れんこんは切ったらすぐに酢水に放してアク抜きをすることが白く仕上るコツです。
10~15分が目安。
切り方
酢れんこんやサラダにする場合は、輪切りや半月切りにします。
煮物にする場合は縦半分~1/4に割ってから大きさを揃えて乱切りにします。
加熱
れんこん特有のシャキッとした歯ごたえを残す為に、炒めの最後にレンコンを加えて加熱時間はなるべく短めにします。
茹でる
たっぷりの熱湯に酢を数適加えた中に入れて、さっと手早くひと茹でします。
煮る
炒めてから煮たり、沸騰した煮汁に加えて煮ることが多く、いずれもあまり長く煮込まないことが基本です。
レンコンのレシピ
レンコンの料理は煮物、炒め物、サラダ、漬物、和え物、主食、揚げ物、その他等でたくさんあります。
代表的な物を記します。各種のレシピ等をレンコン調理法、及びリンク類を参照下さい。
井上ファームの紹介
倉敷市連島は、江戸時代末期に印田干拓地として開かれ、以後何世紀もの苦労の末にレンコン栽培に最も適している事が解りました。
以後レンコン田が広まり、今では西日本有数のレンコンの産地となっています。
しかし、農業の後継者の減少と高齢化に伴い、栽培が困難な農家が増えたので、井上さんはこれを大変憂い、それらを借り受けて従業員と一緒に熱心に栽培しています。
掘ったレンコンの一部は1次加工しています。
4月末のレンコン田
6月中旬
7月中旬(井上ファームレンコン田にて)
「連島レンコン」は栄養価が高く、肌の色も白く肉質が軟らかで大変美味しいです。
掘ったレンコンは、関西方面や中京方面に出荷して、大変喜ばれています。
又、井上ファームは 種々の改善を推進し、一部一次加工品の出荷も行っています。
井上 園主
レンコンの周囲を掘る機械
レンコンを痛めない様に手間をかけて手堀りをしています。
レンコンは井上ファームが丹精込めて栽培しています。
レンコン栽培の年間予定栽培と収穫
レンコンは蓮田といって泥沼の中で育ちます。
倉敷市連島でのレンコンの年間の概略予定は次の通りです。
1.レンコン植え付け
時期:3月末~5月初め
3月末頃より芽の付いた種 バスを植え付けます。
右の写真は4月のレンコン田の様子です。
2.施肥
時期:5月~6月
レンコンに肥料を施します。
3.生育期
時期:5月~8月
種バスの先の芽はやがて葉を水上に出し、地下茎は枝分かれしながら伸び、葉は開いて大きくなり夏頃には大変きれいな花が咲きます。
地下茎の3節程が肥大します。
4.収穫
時期:9月~5月上旬
収穫は倉敷では9月から翌年の5月頃までです。
地下深くに育ったレンコンを傷つけないように掘り出します。
土質や掘り出しの際にレンコンに傷が付かないよう十分な対応が必要です。
連島地区のレンコン水田の様子
4月末のレンコン田
6月中旬の連島レンコン田
レンコン水田は水でいっぱいです。植えられた一部が水面出でています。
7月中旬の連島レンコン田
9月のレンコン田の様子
3~5月に植えたレンコンは6/中旬、大分大きくなりました。7月初旬には蓮の花が咲き始めます。